印刷オペレーターとして、伊坂美術印刷の大利根工場で印刷物の製造をしています。印刷機を操作して印刷物を作り上げる、「現場」の仕事です。具体的には、紙積みから印刷機の準備をして、刷り出し(色調や見当の調整)を行い、本刷り作業をスタートします。刷了後に検品をして、次の製本工程への受け渡しというのが大まかな流れです。
工場見学に伺った際に印刷現場の方々の印刷に対する真摯な姿勢が感じられた事です。縁の下の力持ち的な存在で、誠実で丁寧な仕事ぶりが自分の目指すところと重なりました。また私自身、印刷機オペレーターの経験がある中途採用なのですが、今まで扱ったことのないドイツのハイデルベルグ社製の印刷機にこだわって設置していると知り、扱ってみたいと思ったからです。
機械の印刷停止トラブルを未然に防ぎ、納期を確実に守るため、計画的な機械のメンテナンスを大切にしています。いつも安定して印刷できるようにローラーをチェックし、油や水や紙ゴミが印刷物に付着しないよう日頃から機械を綺麗に保っています。
メンテナンスを怠ると突発的な故障が発生したり、機械が動かなくなったりしてしまうこともあります。その結果として印刷物が仕上がらず、納期がずれて、お客様に迷惑がかかってしまいます。そういったトラブルが起こらないよう常にメンテナンスには気を遣っています。
いまの印刷機はさまざまなところが自動化され、とても便利になりました。けれどもその反面、きちんとメンテナンスをしないと思い通りに操作できなくなってしまうのです。ですので、昔の機械以上にメンテナンスの重要性は上がっていると思います。便利になった機械を有効に使うため、必要な知識や技術をしっかり身につけて仕事を進めています。
印刷という仕事で、多くのお客様から直接お仕事をいただけていることです。
前職でも印刷の仕事をしており、この業界には長くいますが、印刷業界は「多重下請け」で、何社も間に入ることが多いのです。けれども伊坂美術印刷はほぼエンドユーザー様からお仕事をいただけています。なぜそんなことが可能か考えてみると、お客様との間に長年かけて築いてきた信頼関係があるからだと思います。信頼とはすぐにできるものではありません。創業から110年以上、きっと何十年とかけて築いてきた信頼が今につながっているのでしょう。そのことを誇りに、毎日の仕事に取り組んでいます。
印刷物のクオリティでお客様に満足いただくこと、そして納期をしっかりと守ることです。納期とは約束です。約束を当たり前に守りながら、その中で最高の印刷パフォーマンスを発揮できるように努めています。
そのためにもやはり日々のメンテナンスが大切なのです。現場の管理をしっかりと行うことでトラブルを防ぎ、お客様との約束を守っていきます。
出勤するといつもその日の準備を行います。どんな仕事でもそうかもしれませんが、しっかりと準備をすることが何より大切です。仕事がうまくできるかどうか、8割9割は準備にかかっていると思っています。そういった、前職も含めこれまで経験し学んできたことを、部署のミーティングで共有しています。もちろん、同僚から気づかされることも多く、ベテランも若手も等しく学び合い、何でも気軽に話し合うことが大切だと日々感じています。
積み重ねてきた経験があるからこそわかることや言えることを、これからは部署の垣根を越えて営業部やプリプレス部などともコミュニケーションをとって、お互いのノウハウを分け合っていきたいですね。
例えば、再現の難しい色味や現場のスピード感覚、印刷機の調整でどれくらい融通が利くかなど、工場から制作現場に口添えできる部分もあるかと思います。一方では私が制作チームの意向を汲み取って、その創作熱意に刺激される場面もあるかもしれません。今以上に一丸となって、より良い仕事をしていきたいです。
私は20代の頃から印刷をやってきました。長く仕事をする中で印刷が好きになりましたし、また、しっかり準備をして臨むこの仕事が自分の性格にも合っていると感じています。印刷の仕事は思い切りが大事な時もあります。最初は色合わせに時間がかかり、なかなか印刷がスタートできないようなこともあるでしょう。決められた時間の中で頭を動かし、手を動かし、徐々にテクニックが染みついていきます。
一朝一夕にはいかないからこそやりがいを感じて、諦めずに頑張ってほしいと思います。私にできることなら何でも教えます。