営業です。見積もりとか校正往来とか、各工程の手配とか、いろいろやっています。
企画営業部は金融営業部と違って、お客様の業種は関係なくお仕事をいただいています。教育関係や広告代理店、食品会社に通信、不動産関係など、さまざまなお客様と接しています。プレゼン用の情報収集や資料作りもありますね。
絵を描くとかデザインするとか、何かを作る仕事がいいなと思って会社を探しました。けれども卒業した大学は経済学部で、何か技術があるわけではなかったので、職種としては営業職を考えていました。その中でもやりがいをもって働ける環境が良いと思って、印刷会社に入社しました。
そこから25年という長い間、振り返るといろいろなことを経験してきました。
お客様からたくさんの仕事を任せていただける時や、弊社に発注できるように手を尽くしていただけた時にやりがいを感じます。
普段から真面目にコツコツやっていることで、お客様から「一緒に仕事をしたい」と感じてもらえるのだと思います。地味なことに思えるかもしれませんが、見積もり依頼や質問に対して素早く回答したり、短納期に対応したり、納品後はきちんと完了報告をしたり、時にはお客様のデータや校正内容の不備を指摘したりといったことです。
お客様も多くの営業に会っているはずなので、その立場に立って自分だったら「どういう人に仕事を出したいかな」と考えます。1から10まで指示を出さないとやってもらえない人とは仕事をしたくないでしょう。なので、お客様から何かを言われる前に先回りして全部ができているような、そういう仕事の進め方をしていますし、部下にもそう教えています。
例えば、校正往来(校正を見て修正するやりとり)が続いて何度も修正が必要になる時があります。お客様が申し訳ない気持ちにならないよう、当然、嫌な顔なんかせずに何回でも直します。むしろ直すべきところがあれば、こちらからそれを伝えて修正するようにしています。
お客様にミスをさせない、ストレスを感じさせないようにいつも気をつけています。
我々のせいで起きたミスであれば私を怒っていただければ良いのですが、お客様のミスや間違いで問題が起こってしまうと、せっかく出来上がったものを納品しても、お客様にとっては嬉しくないものになってしまいます。それだけは絶対に回避したいです。出来上がった喜びよりも、失敗したマイナスの感情が残ってしまう。お客様にそういう思いをさせず、出来上がった時は一緒に喜びたいといつも考えています。
そのためには、お客様が間違っているかもしれないところに、こちらから気づいてお伝えし、直していくことが大事なのです。
柔軟性が弊社の強みだと思っています。
特殊な印刷やこれまで作ったことのないものをお客様からご相談いただいた時も、社内外のネットワークを使い、協力して対応しています。やったことがないから断るのではなく、どうしたらできるかを考える。お客様の希望に応えるためにあらゆる方法にチャレンジすることで、できるものが増えていく。それを苦労だとは考えず、逆に仕事の面白さだと思って取り組んでいます。
作った経験のないものでも、挑戦するチャンスがあるのはとてもありがたいことです。
費用よりもクオリティを重視して作る印刷をやってみたいです。例えば個人の作家が個展のために作るような、部数は少ないけれど工夫が凝らされたものなど、普段の仕事ではなかなかできないことに挑戦してみたいですね。費用よりもデザインや出来映えを重視した印刷で、それが遊びではなくビジネスになったら面白いなと思います。
印刷の世界では常に新しい技術やアイデアが生まれています。やっていることは同じでも、ちょっとしたアイデアを加えることで面白いものが作れたり、精度が向上したりします。ですので常に勉強し、企業の展示会にも進んで足を運び、自分の中の引き出しを増やすようにしています。そこで得た新しい知識を、普段の仕事の中で少しずつでも提案することが、より良い仕事につながると考えています。
25年間この会社で働いてきた中で、はっきり言ってしまえば、うまく進んだ仕事よりも、大変な思いをした仕事の方がプラスになることが多いと感じます。
ましてや印刷を取り巻く環境は刻々と変化し、毎日同じ仕事をこなすだけではなりません。印刷以外のさまざまな領域にもチャレンジすることで技術的な学びがあり、気づきがあり、課題が生じてくることと思います。しかし、そんな中でも営業職は細かい気配りや、お客様に不安を感じさせずに全力でサポートする姿勢が大切です。これだけは変わらないのです。
真面目な話ばかりしてしまいましたが、勤続年数の長い社員が多く、若手もいて、営業部は温かな雰囲気です。新しいことへの挑戦や仕事での失敗をどうか恐れずに、自分の成長や、ものづくりを楽しめる仕事を一緒にしていきましょう。